『図書館社会教育の実践−中田邦造の読書指導と自己教育論』
 福永義臣 著  2006.3  A5精/257頁  定価 6,300円(税込)
 昭和初期、石川県において県立図書館を中核とする全県的な図書館
 社会教育の実践があった。その中心人物が石川県立図書館長・中田
 邦造である。かれは教育の本質は自己教育、「終生を通じての不断
 の教育」、その「最も有効なる方法は読書である」との信念に基づ
 いて、向学心に燃えながらも学校教育を受けられない農村青少年の
 読書指導−読書学級・青少年文庫−に取り組んだ。中田の提唱する
 読書は「右手に本を、左手に鍬を!」、読書即生活、生活指導とし
 ての読書指導であった。読書は生活の糧であり、生活の目標を設定
 する。その実践は読書による自己改革、その集成としての社会改造、
 教化体制下における自らが学ぶ主体である自己教育運動であった。