書名戦後台湾労使関係の研究
ご寄稿者名西日本新聞社
投稿日 9/16 日
編著者張国興
出版社中国書店
出版年月2000年2月28日
ISBN4-924779-49-0

書評戦後台湾の政治、経済、社会を理解するうえで異色の研究書が福岡市の中国書店から出版された。著書は台湾台南市に生まれ、1959年台湾大学の歴史系を卒業、東京大学国際関係論博士課程単位取得。のち久留米大学にて博士号を取り、現在久留米大学教授。
本書は戦後台湾の1950年から80年代までの国民党の労働政策、労使関係、労組の実態と労働争議などについて具体的な事例をあげて分析している。この時代は国民党による戒厳令下にあり、労働統計まで国家機密に指定されて資料の入手も困難を極めたという。このため理論の構築というよりも事実の解明と問題の提起に重点を置いたと著者はいう。しかし労働組合の実態をはじめ団体協約、就業規則の制定などを取り上げながら、急速な台湾経済の飛躍の背後にあった未熟でいびつな労使関係、労使双方の内部腐敗と癒着関係を描き出している。台湾人としての著者のアイデンテイテイと民主主義を求める心情から出た書として内外の専門家から高い評価を得ている。
(西日本新聞 2000年3月19日 読書面 より転載 一部訂正)

[ TOPPAGEに戻る/ 1つ前のページに戻る ]