書名『漫画学入門』
ご寄稿者名毎日新聞
投稿日 7/02 日
編著者日下みどり
出版社中国書店
出版年月2002.4.
ISBN4-924779-66-0

書評「 漫画は社会を写す文化」
  国公立大学では唯一、漫画学の講座を開いている九州
 大(福岡市)の日下翠教授(53)が、講義内容を1冊の
 テキストにまとめて出版した。その名も「漫画学入門」。
 日下教授は「漫画が学問になり得るという具体的なイメ
ージや見本になれば」と話している。
 日下教授の専門は中国文学。大学で中国語や中国の戯
曲・小説を教える傍ら、約7000冊を読破したほどの漫
画好き。学生時代は、恋愛、母と娘の葛藤、子どもの虐
待、日本の伝統的な恋愛観など幅広いテーマを描く、萩
尾望都や山岸涼子、大島弓子らの少女漫画に胸を熱くし
た。
 「漫画は社会を映し出すサブカルチャー。これを研究
する新しい学問をやろう」。教官仲間と盛り上がり、2年
間の準備期間を経て00年春、大学院で10人のゼミをス
タートさせた。
 学生の評判も良く、01年4月からはゼミだけでなく、
全学共通教育で「サブカルチャーの世界―日本漫画研究」
と題して前期のみの講座を開講した。
 授業では、単行本形式の「赤本漫画」の登場で手塚治
虫は長編ドラマを描けるようになったーなどの話しに学
生らは熱心に耳を傾けた。
 本は講義内容をまとめた。セリフを入れる吹き出しの
形、背景など表現法・歴史・日本文学との関係・アメリ
カコミックスとの違い・世界の漫画との比較―などの項
目を並べる。代表的な作家や作品を個別に取り上げ「少
女は占いとホラーが大好き」「美人が幸せになるとは限ら
ない」などストーリーに潜むテーマや時代背景を丁寧に
解説している。(長谷川容子)
毎日新聞 夕刊 社会事件ひと話題2002年4月23日

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