| ●書評 | 中国を学ぶことは日本を学ぶこと 講義形式で文学を紹介―九州大学中国文学会が刊行 大学の教官が講義形式で中国文学の魅力を語る「わ かりやすく おもしろい中国文学講義」(中国書店)が、 九州大学中国文学会が刊行された。かつて教養の源だっ た漢文、中国文学だが、近年は「難解」と敬遠され、高 校の授業でも英語や情報処理などの人気の分野に押され て軽視されがち。同文学会は「文化の根底にある日本語 の力強い発展のために、中国文学はなくてはならない存 在」と、中国文学の ゙復活” を待望し、一読をすすめ ている。 内容は五つの篇―「詩文篇」「小説・戯曲篇」「近現代 の文学篇」「日中文学の比較と交流篇」「語学・情報処理 篇」−で構成。二十七人の教官が、それぞれの専門分野 から「六朝文学のおもしろさ」「楊貴妃伝説の虚と実」 「近代文学における中国と日本」などのテーマで語って いる。 講義のように「です・ます調」の話し言葉でつづられ、 写真や図版も多用。「西遊記」や「三国志」、漫画化されて 人気の高い「封神演義」など、若い人の関心を引くような 題材が多いのも特徴だ。 中国文学のもつ今日的意義について、著者の一人で九州 大学大学院の竹村則行教授は「日本の文化に影響を与えて きた中国文学を通すことで、あらためて日本の特徴に気づ くことがある。平仮名の語源など日本の文化に血肉化して いる中国を学ぶことは、日本を学ぶことにつながる」と指 摘。ただ原書で読むには、読み方などの技術的な問題や、時 代的・地理的背景への理解が必要になるため、同文学会は 研究者を「原書を読むためのツアーコンダクター」、同書を 「案内書」と位置付けている。 竹村教授は「入門書だが内容はかなり高い水準で、だれで も満足できると思う。一人でも多くの人が中国文学に興味を 持ち、その中から研究を志す人が現れてほしい」と期待して いる。 西日本新聞 2002年5月21日 学芸・芸術
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