書名わかりやすく おもしろい 中国文学講義
ご寄稿者名西日本新聞
投稿日 7/02 日
編著者九州大学中国文学会編
出版社中国書店
出版年月2002年5月
ISBN4-924779-67-9

書評中国を学ぶことは日本を学ぶこと
    講義形式で文学を紹介―九州大学中国文学会が刊行
   
    大学の教官が講義形式で中国文学の魅力を語る「わ
かりやすく おもしろい中国文学講義」(中国書店)が、
九州大学中国文学会が刊行された。かつて教養の源だっ
た漢文、中国文学だが、近年は「難解」と敬遠され、高
校の授業でも英語や情報処理などの人気の分野に押され
て軽視されがち。同文学会は「文化の根底にある日本語
の力強い発展のために、中国文学はなくてはならない存
在」と、中国文学の ゙復活” を待望し、一読をすすめ
ている。
 内容は五つの篇―「詩文篇」「小説・戯曲篇」「近現代
の文学篇」「日中文学の比較と交流篇」「語学・情報処理
篇」−で構成。二十七人の教官が、それぞれの専門分野
から「六朝文学のおもしろさ」「楊貴妃伝説の虚と実」
「近代文学における中国と日本」などのテーマで語って
いる。
 講義のように「です・ます調」の話し言葉でつづられ、
写真や図版も多用。「西遊記」や「三国志」、漫画化されて
人気の高い「封神演義」など、若い人の関心を引くような
題材が多いのも特徴だ。
 中国文学のもつ今日的意義について、著者の一人で九州
大学大学院の竹村則行教授は「日本の文化に影響を与えて
きた中国文学を通すことで、あらためて日本の特徴に気づ
くことがある。平仮名の語源など日本の文化に血肉化して
いる中国を学ぶことは、日本を学ぶことにつながる」と指
摘。ただ原書で読むには、読み方などの技術的な問題や、時
代的・地理的背景への理解が必要になるため、同文学会は
研究者を「原書を読むためのツアーコンダクター」、同書を
「案内書」と位置付けている。
 竹村教授は「入門書だが内容はかなり高い水準で、だれで
も満足できると思う。一人でも多くの人が中国文学に興味を
持ち、その中から研究を志す人が現れてほしい」と期待して
いる。
   西日本新聞 2002年5月21日 学芸・芸術

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