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| ●書名 | 『神格化と特権に抗して』/『中国 報道と言論の自由』 |
| ●副題 | ある中国「右派」記者の半生/新華社高級記者・戴煌に聞く |
| ●ご寄稿者名 | 毎日新聞 |
| ●投稿日 |
5/02 日 |
| ●編著者 | 戴煌著/横澤泰夫訳
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| ●出版社 | 中国書店 |
| ●出版年月 | 2003年3月28日 |
| ●ISBN | 4-924779-73-3/4-924779-74-1 |
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| ●書評 | 中国報道界は今 反骨のジャーナリスト・戴煌氏の回想録 ほど遠い言論の自由
共産党政権下の中国で迫害に屈せず報道の自 由を求めて闘い続けてきた国営新華社通信の元 記者、戴煌氏の回想録『神格化と特権に抗して』 と、中国における報道の現状について同氏に聞い たインタビュー録『中国 報道と言論の自由』が中 国書店(福岡市)から同時出版された。 インタビューでは毛沢東への全面的な批判や、 共産党独裁の否定、中国では認められていない 民営新聞発行の必要性に言及するなど、中国国 内では発表できない内容も多く含まれる。1957年 の反右派闘争から文化大革命に至る暗黒時代に 中国報道界で何が起き、現在はどうなのか、そし て今後どう動くのか考える上で貴重な資料となっ ている。 戴煌氏は個人の神格化と党幹部の特権化に 反対する発言がもとで「右派」のレッテルを貼ら れ、57年から21年間にわたって流刑や労働改 造、監獄生活を送った。名誉回復後、新華社に 復帰し、引退した今も言論と報道の自由を求め て発言を続けている。 回想録では、飢えや過酷な労働によって、 次々に仲間が死に、自身も何度も死にかけた 迫害の日々が克明に綴られているだけでなく、 当時の言説や資料などを引用しながら、報道の 現場で何が起きたかを詳述している。 またインタビュー録では、前村長の腐敗を暴 露した人間が、その報復で濡れ衣を着せられて 銃殺刑になった最近の事例などをあげながら、 報道の自由にはほど遠い現状を紹介。その原 因は建国後の毛沢東の誤りと一党独裁体制に あるとし、人々に真に支持される社会主義国家 実現のためには、民営新聞の実現も含めて報 道と言論の自由を確立することが不可欠を説 いている。 ただ国外で出版される本とはいえ、こうした 発言をする人間の存在を許容する程度には中 国の改革が進んだのも事実。中国では01年 7月の江沢民発言により、企業経営者の共産 党入党に道が開かれた。今後資本家党員が 増えていけば、政治体制にも影響を与えるこ とが予想される。 「予断は許さないが、戴煌氏の主張通り民 営新聞が生まれ、共産党が社会民主主義的 政党になって一党独裁が崩れる方向に中国 が進む可能性も十分ある」 回想録の訳者でインタビューを行った熊本 学園大の横澤泰夫教授はそう見るのだが。
2003年4月11日 毎日新聞(夕刊) |