書名 : 夾辺溝―砂漠の強制収容所生存者の証言
編著者 : 趙旭著/多田狷介訳
出版社 : 集広舎
定価 : 6,300 円
出版年 : 2026/09 月
―― 歴史は消せても、記憶は消せない。
反右派運動の果てに砂漠の強制収容所へ送られた人々。飢餓と寒さのなかで命を落とした三〇〇〇人の運命を、生存者の証言によって甦らせる。中国現代史の封印された悲劇を描く渾身のドキュメント。ワン・ビン監督『無言歌』の原点の本邦初訳。
夾辺溝とは
1950年代後半から60年代にかけて中国甘粛省に設けられた強制労働収容所(労働教養農場)。反右派運動で「右派」とされた知識人らが収容され、多くが飢餓と寒さの中で命を落とした。
本書はその生存者の証言をもとに事件の実態を克明に描く。
ワン・ビン(王兵)監督は、生存者の証言をもとに2010年、劇映画『無言歌』(原作『夾辺溝』)をリリース。本書はその原点となる事件を世界に伝える、趙旭の代表作として高く評価されている。
■ 劉燕子解説「何故、今『夾辺溝』か?」より
「墓石は砕かれた。夾辺溝なんてなかった、そんな過去など忘れろというわけだ。歴史を守る必要などないってことだ。だが、歴史がなければ何が人間を人間たらしめているんだ?人間であることの意味はどこにあるんだ?」 これから反右派闘争や大躍進が非人間的であるだけでなく、その歴史の封印は人間としての存在の抹殺であり、中共は一度ならず二度三度と権力犯罪を行使したことが分かる。即ち、右派のレッテルによる冤罪、強制収容所における餓死、そして証拠隠滅である。
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